老視矯正用ICL

当院では、ICLを販売しているスターサージカル社が開発した老視用ICLの取り扱いを開始しました。EVO Viva™ ICLと呼ばれ、EDOF(焦点深度拡張型)のため、ピントが幅広く合う機能があり、老視矯正が可能となりました。

老視矯正ICLも近視矯正用のICLと同様、レンズにはコラーゲンが配合されているので生体適合性が高いのが特徴で、レンズの素材は、コラマーという特殊な合材で無色透明な紫外線をカットする効果を持っており、ソフトコンタクトレンズのように水分の含んだ柔らかな素材でできています。目をぶつけても目の中でレンズが破損することはありません。

なぜ老眼になるのか

目の中には水晶体というレンズのような役割をする組織があります。その水晶体を引っ張っている毛様体は、遠くを見るときは水晶体を引っ張り水晶体が薄くなり、近くを見るときは毛様体が緩まることで、水晶体が分厚くなります。しかし加齢とともに 水晶体が固くなり、水晶体の厚さを変えることができなくなってきます。 そのため、近くのものにピントが合わせづらくなるのです。

老眼の進行

老眼が進むと、一生懸命調節しようとしても、ピントが合わせられなくなり、近くのものが見えなくなります。下図のように、20代では約10cm先までピントを合わせることができますが、 40~50代になるとピントを合わせられる距離がどんどん遠くなってしまいます。

ICLと老視用ICLの
ピントの合い方の違い

術前後の焦点深度曲線

下のグラフの点線が老視用ICLの術後データを表しています。グラフの縦軸は視力の値、横軸は距離を示しています。 20/20は1.0の視力、20/40は0.5の視力という意味です。Defocusの遠方(0.00D)中間(-1.0~-1.5D:1m程度)、近方(-2.0D:50cm程度)にかけて、なだらかな曲線で術前と比べて視力が上がっていることがわかります。

引用元:Packer M, Alfonso JF, Aramberri J, et al. Performance and Safety of the Extended Depth of Focus Implantable Collamer ® Lens (EDOF ICL) in Phakic Subjects with Presbyopia. Clin Ophthalmol. 18: 2717-2730, 2020.

老視用ICLのメリット

ヨーロッパで承認済です。

ヨーロッパで承認されており、製品をEU加盟国輸出する際に安全基準条件を満たすことを証明する、CEマークを取得しています。

近視と老眼の同時矯正ができます。

通常のICLでは遠くを見えるようになりますが、手元を見えるように矯正するはできません。老視矯正用ICLは、遠方を良く見えるようにし、近方も老眼鏡なしで見えるようにします。

通常ICLと同等の素材

通常のICLと同様の素材を使用しており、手術方法も同じですので通常のICLと変わりません。

実績のある構造

白内障手術の時に用いる多焦点眼内レンズで実績のある焦点深度拡張型の構造になっています。

元々の目を活かした矯正

多焦点眼内レンズのように水晶体を取り除くわけではないため、ご自身の残存している調節力を利用しつつ、老眼矯正ができます。

老視用ICLのデメリット

ヨーロッパでは承認されておりますが、挿入実績は近視用レンズより短く、米国 FDA や日本の厚労省は未承認です。

薄暗いところで見にくい、細かい文字には度の低い老眼鏡が必要になるなどの場合があります。

ハローやグレアのほかに光の輪が見えることがあります。ただしこの症状は術後1ヶ月でほとんど気にならなくなります。

検査・手術費用

シニアエキスパート
インストラクターの在籍

保証期間は術後3年

笑気麻酔を使用

医療ローンのご利用可能
※詳しくはご来院時にお問い合わせください。

※執刀医指名料:市川一夫 55,000円(税込)
※老視用ICLは市川一夫医師が執刀します。執刀料は料金に含まれています。
※自費診療のため健康保険は適用されません。

手術代に含まれるもの

手術費用+術直前〜術後3か月までの診察・検査・投薬費込※保証期間:3年間

保証の対象となるもの

レンズ入れ替え(3年以内 サイズ・度数変更とも無料)

レンズ取り出し(3年以内 無料)