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【徹底解説】知っておきたい白内障手術後の疑問

【徹底解説】知っておきたい白内障手術後の疑問

白内障と診断され、白内障手術を受けた方から「白内障手術後で気を付けるべきことはありませんか?」と聞かれることも多いです。

白内障手術は昔は入院で手術を行っていましたが、現在は手術器具の進歩や術者の努力により、日帰りでの手術も可能となりました。このように安全性が増した白内障手術ですが、手術後トラブルなく過ごすために注意すべきことがあります。

この記事では、白内障手術後に知っておいて欲しい内容、よくある質問について解説します。この記事を読めば、白内障手術後の疑問や不安は解消されると思います。

 

白内障とは

 

白内障手術後の解説をする前に、白内障とは何か、白内障手術の解説をします。

 

目の中にある水晶体が加齢などの原因により白く濁る病気を「白内障」と言います。60歳以降はその割合が過半数を占め、80歳以上はほぼ全員が白内障であるとされています。

 

白内障によって濁ってしまう水晶体は、カメラのレンズと似た役割をしています。水晶体はピントを合わせたり、視界をきれいに映し出したりする役割があります。この水晶体は、もともと無色透明ですが、年齢とともに黄白色になり濁ってきます。その結果、「物がかすんで見える」「視界にモヤがかかっている」「車のヘッドライトがまぶしい」などの症状が出てきます。

 

白内障の治療

 

現在、白内障の治療は、目薬による治療と白内障手術による治療のいずれかを選択します。

 

1.目薬による治療

 

白内障の進行を予防するために目薬による治療を行うことがあります。「初期の白内障が見つかり、進行するのを遅らせたい」「手術をするのは怖い」などの場合に目薬を使うことがあります。しかし、現時点で白内障を治す目薬はなく、最終的には次の白内障手術を行う必要があります。

 

2.手術治療

 

白内障の症状が強く日常生活に支障が出ている場合、あるいは自覚症状がなくても放っておくと失明などのリスクがある場合には手術によって白内障を治します。

 白内障の手術では白目と黒目の境目に、メスで小さな傷口を作ります。そこから目に器具を入れ、水晶体を超音波で砕いて取り除きます。代わりに患者様に合わせて選んだ人工のレンズを入れて、傷口をふさいだら手術は終了です。

 

白内障手術はいつから見えるようになりますか?

 

白内障手術を行い、手術の翌日から見えるようになる人もいれば、視力が出るまでに1週間から2週間かけてゆっくりと見えるようになる方もいます。しかし、患者さんは「白内障手術をすればすぐによく見えるようになる」と考えている方も少なくありません。ぼやけて見えていると心配になってしまう方もいますが、ゆっくりと見えるようになる方も多いです。手術後は予定を入れすぎず、生活にはゆとりを持って手術するのをおすすめします。

 

白内障手術を行う際、超音波を当てて水晶体を砕いたり、器具の出し入れを行います。そのため、手術後は炎症反応が出たり、細菌が目の中に感染する恐れがあります。

 

白内障手術後に気を付けるべきことはありますか?

 

白内障手術後は炎症を抑え、細菌が感染しないように注意する必要があります。炎症や細菌感染は合併症の原因になるため、手術後はこれらを抑えるために目薬を使ったり、目に優しい生活を心がける必要があります。

 

手術をしたばかりの目は傷口が開きやすく、そこから細菌が入ってしまう恐れがあります。特に、手術後1週間は注意が必要です。そのため、手術をしてから1週間は頭や顔を自分で洗わないよう指導しています。また汗をかくような運動、力を入れる作業などもしないようにしましょう。1週間が過ぎれば、シャワーを浴びたり、軽い運動をすることができます。

 

しかし、1ヶ月間は合併症が起こりやすいため、激しい運動は制限がありますし、目にゴミが入るような作業(掃除など)をする場合はゴーグルなどをして生活してもらうようにしています。また昔から言われていた様にテレビを1時間みたら10~15分休憩するなど、眼を連続して使いすぎないように注意することも必要です。

 

このような目に優しい生活を行うことで、より合併症が出づらくなります。

 

白内障手術による合併症

 

白内障手術は時間も短く、傷口も小さいので比較的安全な手術です。しかし、中には合併症が出る方がいます。

 

特に恐ろしいのが、眼内炎という病気です。眼内炎は失明する恐れがあるため、眼科医が最も注意して診察している合併症です。眼内炎が起こる理由として、白内障手術では傷口を作るため、目の中に細菌が感染しやすい状態です。細菌が感染しないように目薬や消毒で感染を防ぎます。

 

しかし、汚い手で目を触ったり、ゴミが入ったりすると目の中に細菌が感染します目の中の細菌は増殖が早く、見えづらさや痛み、充血などの原因となります。目薬や飲み薬で治る場合もありますが、中には大掛かりな再手術が必要になる場合があります。特に、手術後1週間は起こりやすいので、目に優しい生活を守るようにしましょう。

 

白内障手術にかかる費用は?

 

当院では、自己負担の割合が1割だと片目約1万8000円、3割だと片目約5万5000円になります。しかし、手術前後の検査や通院、入院の有無、代わりに入れるレンズの種類によって変わります。詳しい費用については、こちらに記載しております。

 

白内障手術にかかる費用

 

白内障手術の眼鏡はいつ作るべき?

 

白内障手術後は、入れたレンズの位置が変動したり、眼の切開した傷口が治ったりと様々な変化をするため、ピントの合う位置が変化します。これは1-2ヶ月で落ち着くことが多いので、余裕を持って2-3ヶ月後に眼鏡を作成してもらうようにしましょうもちろん、日常生活に支障が出る場合、それまで待てない場合はすぐに作成することも可能です。

 

おわりに

 

この記事では白内障手術、特に手術後に関する疑問に答える形式で、白内障手術後の内容を解説しました。白内障手術は比較的短時間で、安全に行われるようになりました。しかし、白内障手術後は生活の制限があり、使う目薬も多いため、「白内障手術よりも手術後の方が大変だ」と言う方もいます。比較的安全な手術だからこそ、合併症が出ないようにするため、目薬をしっかりと使い、目に優しい生活を送りましょう。

この記事の著者

医療法人いさな会 中京眼科

医療法人いさな会 中京眼科

愛知県名古屋市にある眼科専門クリニック。一般眼科外来のほかに、特殊手術外来(多焦点眼内レンズ)、日帰り手術(白内障、緑内障、網膜硝子体、ICL(眼内コンタクトレンズ))、ドライアイ、近視進行抑制(オルソケラトロジー)、色覚外来など、全般的な疾患に対応しております。数多くの医療機器を揃え、白内障手術だけで年間約2,000件以上(2,733件/2022年)の手術実績があります。

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