白内障手術の費用を抑える方法とは?
白内障手術で選ぶレンズ
白内障手術では、白く濁ってしまった水晶体の代わりに眼内レンズという人工のレンズを入れます。この眼内レンズにはさまざま種類があり、眼内レンズの選び方が費用に大きく影響します。
まずは白内障手術で使用するレンズについて解説していきます。白内障のレンズには3つの種類があります。
- 単焦点眼内レンズ
- 多焦点眼内レンズ
- 乱視用眼内レンズ
さらに、白内障のレンズについて、その特徴を一つずつご紹介していきます。
単焦点眼内レンズ
ピントが1か所に合うレンズです。遠くにピントが合うように設定すると、近くが見えにくくなりますが、遠くが見えるようになります。近くにピントが合うように設定すると、遠くが見えにくくなりますが、近くが見えるようになります。
この場合、眼鏡を使用することで遠くも近くも見える状態にします。ずっと眼鏡を使用してきた人は、単焦点眼内レンズでも術後の生活で違和感が少なくなります。
※単焦点眼内レンズの見え方
多焦点眼内レンズ
単焦点とは違い、複数の距離にピントを合わせることができるレンズです。また、焦点の幅が広くなった「焦点深度拡張型」のレンズもあります。遠くから近くまで見える幅が広がるので、単焦点眼内レンズと比べると眼鏡をかける必要性が少なくなります。
※多焦点眼内レンズの見え方
乱視用眼内レンズ
乱視のある方には乱視用眼内レンズがあります。名称はトーリックレンズといい、白内障手術と同時に角膜乱視を矯正し、術後の乱視を軽減することができます。
手術中に位置合わせが必要なため、通常のレンズよりやや時間がかかります。
白内障の価格はどのようにして決まるのか
白内障で用いる眼内レンズにはさまざまな種類があります。
また、単焦点眼内レンズにも多くの種類があり、多焦点眼内レンズ、乱視用眼内レンズにもそれぞれ多くの種類が存在しています。
多種多様な眼内レンズがありますが、特殊な機械を使わない限り、白内障の手術の費用は多焦点眼内レンズを使用するかどうかで、大きく変わります。
一般的な単焦点眼内レンズや一部の多焦点眼内レンズを用いた白内障手術では保険適用の手術になるため、負担額は年齢や収入等によって異なります。
例えば、入院せず日帰りで白内障手術を行うとした場合、その自己負担割合1割であれば、片眼の手術費用は約1万6千円となります。自己負担割合2割であれば、片眼1万8千円となり、自己負担割合3割であれば、片眼約5万5千円となります。
入院したとすると、ここに入院費用が追加されます。(当院では日帰り手術となります)このように単焦点眼内レンズを用いた白内障手術は自己負担額によって費用は異なります。
以下の表は当院で手術を行った場合の費用です。
一方、多焦点眼内レンズを用いた手術でも、眼内レンズの費用の一部が自費となる「選定療養」に該当する眼内レンズもあります。保険適用となる白内障手術費用に加えて、多焦点眼内レンズの代金の一部が上乗せされることで、完全な自費診療よりも自己負担額が低く抑えられます。
また、多焦点眼内レンズの費用はレンズの種類によって異なり、全てが自費となる眼内レンズもあります。
さらに、より安全な手術を行うために、手術中に特殊なレーザーを使う場合があります。このレーザー手術を行える施設は限られていますが、単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズともに健康保険適応外となり自費負担となります。
具体的な費用に関しては、健康保険の負担率やレンズの種類によって異なるため、注意が必要です。中京眼科の白内障手術費用に関してはこちらをご覧ください。
▶︎https://chukyo-eye.or.jp/expenses/
高額医療費制度について
高額医療費制度は、医療費の自己負担額が高額にならないようにするための制度です。この高額医療費制度は、年齢と年収でその自己負担する金額は異なります。
高額医療費制度は1ヶ月単位で計算されるため、同じ月に両眼の白内障手術を行えば高額医療費制度に該当する可能性が高くなります。
しかし、片眼の白内障手術だけでも年齢や収入によっては、この高額医療費制度の対象になる場合もあります。
また、対象にならない場合でも、世帯合算として同一世帯内で自己負担額を合わせて限度額を超えれば高額療養費制度を利用できます。
世帯合算は同じ公的医療保険に加入している必要がありますが、該当する方は利用していただくと良いと思います。
さいごに
このように、白内障手術は眼内レンズの種類によって費用は大きく異なります。
また、医療費制度を用いることで、白内障手術の費用を抑えることができます。
詳しい自己負担額などについては、加入している健康保険組合、全国保険協会、市町村、国保組合、共済組合にてご確認ください。