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白内障になりやすい人は高齢者だけじゃない?白内障の原因6選

白内障になりやすい人は高齢者だけじゃない?白内障の原因6選

白内障は高齢者の病気だと思っている方は少なくありません。しかし、白内障は加齢以外にもさまざまな病気が原因で発症することがあります。この記事では、加齢以外に白内障になる原因を解説します。「白くぼやけて見えるけど、若いから白内障ではないだろう」と思っている方は最後まで記事をご覧下さい。

 

白内障とは

 

目の中にある水晶体が加齢などの原因により白く濁る病気を「白内障」と言います。水晶体はカメラのレンズと似た役割をしています。水晶体はピントを合わせたり、視界をきれいに映し出したりする役割があります。この水晶体は、もともと無色透明ですが、年齢とともに黄白色になり濁ってきます。その結果、「物がかすんで見える」「視界にモヤがかかっている」「車のヘッドライトがまぶしい」などの症状が出てきます。

 

この白内障は加齢が原因となることが多いのですが、その他にもさまざまな病気が原因になることが知られています。また、水晶体のどの部分が白く濁るかでも白内障は4つの分類があります。

 

白内障の原因別の分類

 

1.加齢性白内障

 

白内障で最も多いのが、加齢に伴う白内障です。特に、厚生科学研究班の報告では、80歳以上の人でほぼ100%とされており、50歳代の人でも半数ほどが水晶体の濁りが確認されています。

 

白内障の初期の混濁を含めた有病率

出典:「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」

 

2.糖尿病性白内障

 

糖尿病がある方は、白内障の進行が早い場合があります。糖尿病に罹患すると、そうでない方に比べ約5倍白内障になりやすくなるとされています。特に、糖尿病のコントロールが悪い場合は、白内障の進行が早い場合があります。

 

3.ステロイド性白内障

 

さまざまな薬が白内障の原因になりますが、最も有名なのがステロイドによる白内障です。ステロイド薬には内服薬、吸入薬、塗り薬、目薬などがありますが、白内障の原因になりやすいのは内服薬と吸入薬だとされています。

 

よって、飲み薬でステロイド薬を長期間飲んだり、喘息で長期間ステロイド薬を吸入する際は、白内障の進行に注意が必要です。特に、ステロイド薬による白内障は発症すると進行が早く、数ヶ月から1年程度で手術が必要になるほど視力が低下することが特徴とされています。

 

4.先天性白内障

 

先天性白内障は、母親からの感染や先天的な病気により、生まれて早い時期に水晶体が白く濁るために起こります。先天性白内障は弱視の原因になることがあるため、早期発見と治療が必要な場合があります。瞳の中に白い濁りがあれば、早急に眼科に受診してください。

 

 

5.外傷性白内障

 

外傷性白内障は、目に衝撃が加わるために発症します。特に、野球やテニスボールが目にぶつかったり、目を貫通して水晶体に異物が刺さったりした場合に発症します。

 

6.その他の原因による白内障

 

紫外線やアトピー性皮膚炎など、他にもさまざまな原因で白内障は生じるとされています。加齢性白内障が多くを占めますが、特に、若くして白内障になった場合は他に原因がないかを確認する必要があります。

 

白内障ができる場所による分類

 

白内障は水晶体の濁る場所で、大きく分けて3つに分類することができます。水晶体は薄皮饅頭のような構造になっています。

 

薄皮饅頭のあんこに当たる部分を、水晶体では核と呼びます。あんこを覆う生地に当たる部分を、水晶体では皮質と呼びます。そして、薄皮饅頭の薄皮に当たる部分を、水晶体では嚢と呼びます。この核と皮質、はそれぞれ白く濁ることがあります。また、嚢の濁りは原因によって、濁りやすい場所が違うため、前後に分けて考えます。

 

水晶体のつくり

 

以上から、白内障は核白内障、皮質白内障、後嚢下白内障の3つに分類できます。

 

白内障の症状

 

白内障は、その原因と白く濁る場所によってさまざまに分類することができます。
しかし、その進行の早さや程度に多少の差はありますが、白内障で見られる症状は下記のように共通しています

 

□視力が下がった

□車のヘッドライトや太陽をまぶしく感じる

□物がかすんで見える

□白い壁が黄色く見える

□眼鏡(老眼鏡)が合わなくなった

 

これらの症状のうち、1つでも当てはまる症状があれば白内障の可能性があります。さらに、いくつも当てはまる場合は白内障の可能性がより高くなります。

 

詳しくは『白内障の見え方はこう変わる』の記事で解説しています。合わせてこちらの記事を読むと、白内障の症状について理解が深まると思います。

 

白内障の治療

 

現在、日本で行われている白内障の治療は、目薬による治療と手術による治療です。それぞれについて簡単に解説します。 

 

1.目薬による治療

 

白内障の進行を予防するために目薬による治療を行うことがあります。「初期の白内障が見つかり、進行するのを遅らせたい」「手術をするのは怖い」などの場合に目薬を使うことがあります。しかし、白内障を治す目薬は研究段階であり、現在日本で使える目薬は、あくまで白内障の進行を遅らせる目的で使います。目薬の治療によって白内障が治るわけではないので、最終的には次の白内障手術を行う必要があります。

 

2.手術治療 

 

白内障の症状が強く日常生活に支障が出ている場合、あるいは自覚症状がなくても放っておくと失明などのリスクがある場合には白内障手術によって白内障を治します。

 

白内障の手術では白目と黒目の境目に、メスで小さな傷口を作ります。そこから目に器具を入れ、水晶体を超音波で砕いて取り除きます。代わりに患者様に合わせて選んだ人工のレンズを入れて、傷口をふさいだら手術は終了です。

 

豊富な眼内レンズのバリエーション

 

白内障眼内レンズには様々なバリエーションがあります。

中京眼科では以下のような患者様のご希望に合わせて眼内レンズを選びます。

 

□とにかく眼鏡は使いたくない

□近くの物をはっきりと見たい

□夜の運転をするので、まぶしくない方が良い

□手術をしてから度数を決めたい

 

中京眼科では以下の眼内レンズを取り扱っています。

 

・単焦点眼内レンズ

・多焦点眼内レンズ

・乱視用眼内レンズ

 

単焦点眼内レンズ

 

ピントが1か所に合うレンズです。遠くにピントが合うように設定すると、近くが見えにくくなりますが、遠くが見えるようになります。近くにピントが合うように設定すると、遠くが見えにくくなりますが、近くが見えるようになります。この場合、眼鏡を使用することで遠くも近くも見える状態にします。ずっと眼鏡を使用してきた人には、単焦点眼内レンズでも術後の生活で違和感が少なくなります。

 

多焦点眼内レンズ

 

単焦点とは違い、複数の距離にピントを合わせることができるレンズです。また、焦点の幅が広くなった「焦点深度拡張型」のレンズもあります。遠くから近くまで見える幅が広がるので、単焦点眼内レンズと比べると眼鏡をかける必要性が少なくなります。

 

乱視用眼内レンズ

 

角膜の乱視が強い方には乱視用眼内レンズがあります。名称はトーリックレンズといい、白内障手術と同時に角膜乱視を矯正し、術後の乱視を軽減することができます。手術中に位置合わせが必要なため、通常のレンズよりやや時間がかかります。保険適用で手術を受けることができますが、すべての乱視が対象となるわけではありません。適応のある方は、診察の際、医師からご案内しております。

 

白内障の定期検査のすすめ

 

白内障は急に進行する場合もあります。また、自覚症状が出るよりも前に、水晶体の白い濁りが強くなる場合もあります。
特に、糖尿病やステロイドを長期間使っている場合などは、定期的な眼科受診を行うのが良いでしょう。

 

さいごに

 

白内障は手術をすれば、見え方は良くなることがほとんどです。
しかし、中には白内障を放置してしまい、手術したのにもかかわらず後遺症が残ってしまう方もいらっしゃいます。
「白内障の症状が出たかもしれない」と思ったら、眼科の定期受診を始めるようにしましょう。

この記事の著者

医療法人いさな会 中京眼科

医療法人いさな会 中京眼科

愛知県名古屋市にある眼科専門クリニック。一般眼科外来のほかに、特殊手術外来(多焦点眼内レンズ)、日帰り手術(白内障、緑内障、網膜硝子体、ICL(眼内コンタクトレンズ))、ドライアイ、近視進行抑制(オルソケラトロジー)、色覚外来など、全般的な疾患に対応しております。数多くの医療機器を揃え、白内障手術だけで年間約2,000件以上(2,733件/2022年)の手術実績があります。

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