斜視弱視の主な症状、原因、治療に関して。中京眼科は大人の斜視、子供の斜視、弱視に関して専門的な治療を行います。

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斜視 弱視

斜視とは

人は通常、ものを見るときは、右目と左目、両方の目で同じものを見ることで立体的にものを見ています。ところが、2つの眼の位置を調節するためのバランスが崩れて、片方の目が違う方向を向いてしまうことがあり、この状態を斜視といいます。斜視には常に異なる方向を向いてしまうタイプと、ときどき異なる方向を向いてしまうタイプとがあります。両目が別々のものを見てしまうことで、ものが二重に見えたり、ものを立体的に見ることができなくなったりします。斜視の治療としては、眼鏡や手術があります。

両眼視と立体視

人がものを見るとき、左右それぞれの目に映ったものを脳内で1つに合成することで立体感が生まれています。これを立体視と言います。両目で見たものを脳で一つにまとめる働きのことを両眼視と言います。立体視は両眼視機能の中で最も高度な能力ですので、両眼視ができないと立体視ができず、立体感を感じることもできません。

目の位置による斜視の種類

右目を正常の位置とした斜視の種類

  • 内斜視

    内斜視
    左目が内を向いている
  • 外斜視

    外斜視
    左目が外を向いている
  • 上斜視

    上斜視
    左目が上を向いている
  • 下斜視

    下斜視
    左目が下を向いている

目の位置による斜視の分類には、片目が内側に向いてしまう内斜視、片目が外側に向いてしまう外斜視、片目が上側に向いてしまう上斜視、片目が下側に向いてしまう下斜視などがあります。

大人の斜視

大人になってから起こる斜視には、大きく分けて二つあります。一つは間欠性外斜視先天性上斜筋麻痺など小児期からある斜視が、小児期には両眼視できていたものの大人になり徐々に両眼視できなくなる場合です。もう一つは後天性斜視と言い、それまで全く斜視がなかった人が、ある日突然、または徐々に斜視が出て来る場合です。

どちらの場合も以前は両眼視できていた場合が多いため、斜視が出てきたときに物が二重に見える複視を自覚します。後天性斜視の場合はとくにその原因を調べる必要があります。複視をきたす疾患には、脳の疾患、甲状腺眼症、重症筋無力症など全身の病気があります。脳の病気や全身の病気でも、はじめは眼だけの症状しかない場合もありますので注意が必要です。

子供の斜視

子供に斜視があると外れている目を使わなくなることがあります。これを抑制といいます。抑制があると片目でものを見ることになりますが、この場合は立体視ができません。立体視は生まれつきあるものではなく、体の成長とともに発達すると言われています。そして、その発達は両眼視をすることで促されます。そのため、斜視を放っておくと立体視が育たず、大きくなってから斜視を治療しても立体的にものを見ることができない場合があります。また、外れている目を使わなくなることでその目が正常に成長できず弱視となる原因になることがあります。他にも、バランスの崩れた状態で何とか両目を使うために顔を斜めにして物を見たりするようになることもあります。

子供の斜視

最近では、スマホやタブレットなどの電子端末の過剰使用が内斜視の原因のひとつになっているのではないかと言われています。画面を近くで長い時間にわたって見続けることには注意が必要です。

治療のタイムリミット

治療をするうえでとくに大切なのが両目を使ってものを見る力である両眼視を得ることです。立体視の発達にはタイムリミットがあるので、それまでに両目を使う状態を作ることが大切です。そのタイムリミットは5歳頃までと言われており、とくに生後3か月から2歳くらいまでが大切です。
また生後6か月以内から内斜視がある場合を乳児内斜視といいます。立体視獲得のためには早期治療が必要であり、当院では生後8ヶ月以内の治療を推奨しております。このため内斜視に気づいたら可能な限り早く眼科に受診することが大切です。
また、まれではありますがそれまでなかった斜視が生じた場合は、小児でも原因として脳の疾患、甲状腺眼症、重症筋無力症など全身の病気がある事もあります。その場合は、脳神経外科や小児科での治療が必要となる事もあります。

子供の弱視

斜視の治療と手術

斜視の治療

  • 眼鏡やコンタクトレンズの使用 眼鏡やコンタクトレンズの使用
    眼鏡やコンタクトレンズの使用
    眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、斜視の原因となっている遠視や近視を矯正し、両眼で正常に見えるようにして両眼視をさせます。遠視が原因となる内斜視(調節性内斜視といいます)、左右の度数の違いによる屈折性不同視が原因となる斜視などのタイプではこの方法が有効です。
  • プリズム眼鏡の使用
    プリズム眼鏡の使用
    メガネにプリズムを入れて光を屈折させ、斜視眼を正常眼と同じ視標が見えるようにする方法。斜視自体が治るわけではありませんが、プリズム眼鏡の装用により、両眼視機能を確保しやすい状況を作ります。
  • 健眼遮閉 健眼遮閉
    健眼遮閉
    眼帯、アイパッチなどで主に使っている目を隠すことで、もう片方の目を強制的に使うようにする方法です。斜視眼でない方の眼を遮閉し、斜視眼にその目の矯正度数の眼鏡等を装用させ、物を見る力をつけさせます。

斜視手術

眼球には眼を動かすために必要な、外眼筋という筋肉がついています。斜視手術では、この外眼筋の位置を手術でずらすことで眼の位置を矯正します。例えば、外眼筋の付着部を後方へずらしたり(作用を弱める)、筋自体を短縮して元の位置に縫い付けたり(作用を強める)、切除する(作用を弱める)ことにより眼の位置を矯正します。

大人の場合、手術の種類によっては局所麻痺での手術が可能です。当院では大人の斜視手術を日帰り手術にて行なっております。

子供の場合は、全身麻酔となり入院が必要となるため当院では実施しておりません。関連施設であるJCHO中京病院にて手術を行います。

斜視手術 斜視手術
内斜視の場合

弱視とは

弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズをしても、視力が十分に出ない状態のことです。視力は生まれてすぐによく見えるわけではなく、成長の段階でいろいろなものを見て網膜に刺激を与えることで脳が発達し、視力が1.0以上まで発達していきます。その成長の段階で何らかの邪魔が入り、視力の発達が妨げられると弱視になってしまいます。

子供の斜視 子供の斜視

弱視の種類と治療

弱視の治療は、視力の成長を妨げる原因を取り除いて、タイムリミット内に、見える力を獲得することです。視覚の感受性は、生後より1歳半頃までが最も高く、それ以降はゆるやかに下っていって、8歳〜10歳ころまで続くと言われています。感受性の高い、できるだけ早い時期にみつけて、適切な治療を開始することで、子どもの視機能を最良の状態まで育てることができます。

斜視弱視
常に斜視になっている場合、外れている方の眼では視力が育ちません。治療は斜視を治すことですが、目の位置だけを治しても、視力がでなければまた斜視が再発してしまう可能性が高いので、悪い方の目を使う訓練(健眼遮閉といいます)をするなどの弱視治療を併用して両眼を一緒に使えるようにする必要があります。
屈折異常
弱視
高度の屈折異常(遠視や乱視、近視のこと)が原因で、そのために網膜にピントをあわせられず常にぼやけた状態でしか見えないので、視力が発達しません。治療は適切な屈折矯正をする(眼鏡をかける)ことです。また、健眼遮閉をすることもあります。
不同視弱視
右眼と左眼の屈折の差が大きいため、見やすいほうの眼を使い、見にくいほうの眼を使わないことが原因です。片眼が見えているため、特に気づかれにくいです。治療は、適切な屈折矯正(眼鏡をかける)をして、常に両眼ともピントが合う状態にすることです。また、健眼遮閉をすることもあります。
形態覚遮断
弱視
先天白内障や眼瞼下垂、不適切な眼帯使用など、視力の発達時期に網膜に光が届かなくなることが原因です。まずはその原因を取り除くことが治療になります。他の弱視に比べて、光刺激すら網膜に届かない状態になるため、その発症時期が早く、その発見が遅いほど、視力予後が悪くなってしまいます。

執刀医

津久井 真紀子 医師
横山 吉美 医師
市川 翔 医師