ICL手術

2023.12.20

ICL手術後の見え方とは?手入れ・回復経過の期間を解説

ICL手術とはどんな手術なの?

 

眼内コンタクトレンズ(ICL)を聞いたことがある方も多くなってきたように思います。しかし、「裸眼での視力が良くなる」というイメージが先行してしまい、その他のことに関してはあまり知らないという方も少なくないようです。そこで、今回の記事では手術後にどのような見え方を感じるか、ICLの特徴を手術後の経過と合わせて解説します。

 

ICLの概要

 

眼内コンタクトレンズ(ICL)は、眼内にレンズを挿入して視力を矯正し、手術後数日で裸眼で日常生活を過ごすことができる手術方法です。さらに、必要に応じてこのレンズを取り出すこともでき、そのためレーシックと並んで一般的な屈折矯正手術の選択肢として広く利用されています。

 

ICLの手術方法について

 

ICLの手術は目薬を使用して麻酔を行います。手術中の痛みはほとんどありませんが、意識はある状態で手術を行います。麻酔が効いたことを確認したら、次に、眼に小さな切り込みを作ります。この切り込みから、レンズを眼の中に挿入します。レンズを所定の位置に入れたら、傷口が閉じていることを確認して手術は終了となります。この手術は、通常、両眼で20分〜30分ほどで終わります。

 

 

ICL手術にかかる費用は?

 

ICLは保険適応外の治療のため、手術費用は全額自己負担になります。いわゆる自由診療扱いとなるため、その費用はクリニックによって異なります。また、乱視の有り無しでレンズの費用は異なり、そこに検査代金などが上乗せされます。これらの理由から両眼で40〜80万円ほどとなります。手術を受ける予定であれば、事前に費用の確認は行うのが良いでしょう。

 

ICL手術後の見え方は?

 

「ICLの手術後にどのような見え方をするのか」気になる方も多いと思います。そこで、この章では、ICL手術後の見え方について解説します。

 

鮮やかに見えるようになる

 

ICLの手術を行うと、裸眼の状態にも関わらず、まるでコンタクトや眼鏡を付けているように、遠くの物がよく見えます。このように、ICL手術後は見え方が鮮やかになる一方で、注意していただきたい見え方があります。

 

ハロー、グレア、スターバースト現象が起こることも

 

ICL手術後の特徴的な見え方として、ハローとグレア、そしてスターバースト現象という見え方があります。

ハローは光の周辺に輪が見える現象で、グレアはそこから光が拡散し、それが滲んで見える現象です。また、スターバースト現象という、光が放射線状に広がってまぶしく見えることもあります。時間が経過すると気にならなくなることがほとんどですが、夜の街灯や車のライトを見た時に見えることがあります。

 

手元が見えにくくなることも…

 

ICL手術をした後、「遠くの物がよく見えるようになったが、近くの物が見えづらくなった」という方がいらっしゃいます。ICL手術では通常、遠くの物がよく見えるようになります。近視矯正用のICL手術を行うと、遠くが鮮明に見えるようになることで、ICL手術を受ける年齢によっては手術前まで気づかなかった老眼を手術後に自覚する場合があります。この症状が出てしまうと、近視矯正用のICLのみでの修正は難しく、老眼鏡が必要になることもあります。

 

ICL手術後はいつから見えるようになるか

 

ICL手術をした後、どのくらいの期間で見えるようになるのかが気になる方も多いと思います。そこで、手術当日、手術後1週間、それ以降に分けて解説します。

 

ICL手術当日

 

ICL手術は手術時間が短く、比較的傷も小さいため、手術後翌日から裸眼で物が見えるようになる方が多いです。しかし、中には手術に伴う炎症が強く出てしまう方がいて、その場合はぼやけて見えたり、視力が出づらい傾向があります。

 

手術1週間以内の経過

 

手術後1週間以内は合併症が特に起こりやすい期間です。手術の合併症が起きなければ、裸眼で物が見えるようになります。

 

それ以降の経過

 

手術から回復すると、裸眼で物が見える人は増えます。しかし、視力が安定するまでには数ヶ月ほどかかると言われているため、日によって少しずつ見え方が変わることがあるかもしれません。

 

 

視力回復後は安心なのか?

 

眼精疲労を訴える方も

 

ICL手術後に裸眼で物が見えるようになった一方で、その見え方が良くなることで、かえって目の疲れを感じやすくなる方がいらっしゃいます。ICL手術で眼の中に入れるレンズは、予め計算式を用いて選んでいます。そのため、少し誤差が出てしまうと、想定よりも見え方がはっきりしてしまい(過矯正)、頭痛や吐き気を感じることがあります。酷い場合はレンズを交換することで、そのような症状を軽減します。

 

度数が合わなくなることはないか

 

ICL手術で眼の中に入れたレンズは、人の寿命よりも長いとされているため、レンズが原因で見えにくくなることはほとんどありません。しかし、ICL手術後から時間が経つにつれて、何らかの目の病気を発症してしまうことがあります。その場合はICLの度数が合わなくなり、物が見えづらくなります。

もし物が見えづらくなるようであれば、目の病気を治療する必要があります。目の病気を治療する際、ICL手術で眼内に入れたレンズを取り出すこともあります。

 

まとめ

 

近視矯正用ICL手術をすれば裸眼で遠くの物を、遠視矯正用であれば近くの物を、老視矯正用であれば遠くも近くもよく見えるようになります。しかし、中にはハローやグレアが強く見えることがあります。また、手術後すぐには思ったような見え方にならないこともあります。手術後に起きる可能性があるトラブルを知っておくことで、術前検査や術後の制限への向き合い方が変わるでしょう。術後に後悔しないようにこの記事が参考になれば幸いです。

 

また、中京眼科のICL特設ページはこちらからご覧いただけます。