ICL手術

2023.11.07

ICLは乱視でもできる?乱視が治る?手術のリスクや治療法、手術費用まで解説

乱視は多くの人々が抱える視力の問題の一つですが、ICL手術がその解決策となるのか疑問に思っている方も多いでしょう。この記事では、乱視の基本からICL手術のリスク、費用に至るまで、詳しく解説します。

 

そもそも乱視とは

乱視とは、目の屈折異常の一種で、物が二重に見えたり、歪んで見える症状があります。乱視は主に「正乱視」と「不正乱視」の2種類に分類されます。それぞれの特徴と治療法について詳しく見ていきましょう。

 

正乱視

 

正乱視は、目の屈折力が一定の方向で強く、他の方向で弱い状態を指します。簡単に言えば、目が楕円形になっているような状態です。

 

正乱視は一般的には眼鏡やコンタクトレンズで矯正が可能です。また矯正手術ではICLやレーシックも選択肢となります。

 

不正乱視

 

不正乱視は、目の屈折力が不規則に変わる状態を指します。これは通常、目の傷や手術、疾患などによって引き起こされます。

 

不正乱視は、正乱視よりも矯正が難しく、多くの場合、ハードコンタクトレンズや特殊なコンタクトレンズで改善が可能です。手術ではLASIKでの矯正は困難ですが、ICL手術が適応になるケースも一部あります。

 

ICL手術で乱視は矯正できる?

ICL手術は、元々近視や遠視の矯正に用いられる手術方法ですが、近年では乱視の矯正にも適用されています。この手術は、特別に設計された、ICLという人工の眼内レンズを眼内の水晶体の前面に挿入することで、視力を矯正するものです。

 

手術自体は非常に高度で、眼内レンズの位置や角度が微妙にずれると、矯正効果が大きく減少する可能性があります。そのため、乱視の度数や種類によっては、手術の成功率や矯正効果が異なる場合があります。しかし、医師による丁寧な診断と手術が行われれば、多くの乱視患者にとって有効な治療方法と言えるでしょう。

 

乱視の人がICL手術を受ける際の注意点/リスクとは

乱視の矯正にICL手術を検討する際には、いくつかの重要な注意点とリスクが存在します。特に、手術前の乱視度数の正確な測定、ICL手術特有の後遺症や合併症、そして手術後のレンズの位置ズレなどについて、事前にしっかりと理解しておく必要があります。

 

手術前に正確な乱視度数を測定することが大切

 

乱視の度合いを正確に知らないと、手術の結果に大きな影響が出ることがあります。特にICL手術では、人工レンズを眼の中に入れて、網膜にピッタリ焦点を当てる必要があります。そのため、手術前にコンタクトレンズの使用をやめて、角膜に変化を与えないようにし、視力検査、レンズの度数測定、角膜の形状チェックなど、いくつかの検査を受けて、乱視の度合いや向きを正確に確認することが大切です。

 

ICL手術を行う場合は、約0.5〜6.0Dの度数に対応した乱視用のレンズがあり、高度な乱視矯正も可能です。

 

ICL手術特有の後遺症や合併症を知っておく

 

ICL手術は高度な技術を要するものであり、そのためには特有の後遺症や合併症が存在します。一般的には以下のような後遺症や合併症/副作用などがあります。

 

  • ・結膜炎
  • ・ハロー現象とグレア現象
  • ・眼内炎
  • ・ドライアイ
  • ・内眼圧上昇
  • ・持続性角膜浮腫
  • ・前房出血
  • ・前房蓄膿
  • ・眼感染症
  • ・虹彩炎

 

この中で、特に注意すべきは「ハロー現象とグレア現象」です。

 

ハロー現象とグレア現象は、明るい光源を見たときに発生する光のまわりの光環のことで、グレア現象は光が眩しく感じることです。これは、人工レンズが光の屈折を100%正確にコントロールできない場合に起こる可能性があります。特に夜間運転や暗い場所での作業に影響を与えることがあり、日常生活においても大きな支障をきたす可能性があります。

 

このような後遺症や合併症を防ぐためには、手術前に十分な説明を受け、疑問点や不明点を医師にしっかりと確認することが極めて重要です。また、手術後も定期的な検査とフォローアップが必要です。何らかの異常を感じた場合には、速やかに医師の診察を受けることが推奨されます。

 

手術後にレンズが回転・ずれる可能性がある

 

乱視用ICLのレンズがずれた場合、その影響は視力に直接及びます。特に、レンズが回転して乱視軸がずれると、視力の矯正が不完全になる可能性が高いです。このような状況が発生した場合、最も一般的な対処法は再手術によるレンズの位置調整です。

 

レンズが回転する主な原因として、眼球とレンズのサイズ不一致が考えられます。このような場合には、ワンサイズ大きなレンズに交換する手術が行われることもあります。サイズ調整によって、レンズの安定性が向上し、再度ずれるリスクを低減することが可能です。

 

乱視用ICL手術の費用

 

当院の場合、乱視用ICL手術の費用は以下のようになっています。

 

片眼(税込)

両眼(税込)

通常ICL

352,000円

737,000円

遠視用ICL

407,000円

847,000円

近視用ICLなのか、遠視なのかによって費用は大きく変わります。また、上記の費用には術直前〜術後3か月までの診察・検査・投薬費などが含まれております。

 

また、当院では3年以内のレンズの入れ替えや度数/サイズ変更、取り出しを保証内で行っています。

 

詳細は当院の料金ページ「費用|名古屋でICL治療を受けるなら中京眼科」よりご確認ください。

 

まとめ

この記事では、乱視に対するICL手術の効果、注意点、リスク、費用、そしてレンズがずれた場合の対処法について詳しく解説しました。ICL手術は乱視の矯正にも一定の効果が期待できます。

 

ただ、乱視用のICLレンズがずれて視力に支障をきたす場合、再手術でレンズの位置を調整します。また、乱視用ICL手術の費用は、特別なレンズ設計やレンズの角度調整が必要なため、一般的なICL手術よりも手術時間が少し長くなり、費用も高額になることがあります。

 

最後に、ICL手術後は定期的な検査と診察が非常に重要です。早期に問題を発見し、適切な対処を行うことが必要です。

 

また、中京眼科のICL特設ページはこちらからご覧いただけます。