ICL手術

2023.11.07

ICLで老眼の治療はできる?ICLは老眼リスクを高める?その疑問にお答え

老眼は中高年に多く見られる視力の問題で、近くの物が見づらくなるという症状が現れます。

 

この記事では、老眼の治療法として注目されるICL手術について、その効果や手術費用、レーシックとの違いなどを詳しく解説します。老眼に悩む方々への解決策のひとつとして、ご参考にしてください。

 

そもそも老眼とは何かを知ろう

老眼は40歳頃を過ぎてから多くの人に現れる症状で、眼の中にある水晶体が硬化することで起こると言われています。若い頃は近くも遠くもはっきり見えますが、年齢と共に水晶体が硬くなり、特に近くのものがぼやけるようになります。

 

老眼は誰にでも起こる自然な変化なので、早めに対策すると良いでしょう。老眼鏡以外にも、コンタクトレンズや手術など、様々な治療法があります。

 

ICL手術で老眼は治るのか?

 

老眼の治療にICL手術が有効であるかは、多くの方が気になっているかと思います。ICL手術は元々近視の矯正に使用されていましたが、老眼に対しても効果があることが分かってきました。特に「老視用ICL」は、老視を矯正するために開発された製品で、多焦点型のレンズを使用することで、近くの物も遠くの物も見ることが可能となります。この治療法により、老眼による日常生活の不便さを大幅に軽減することが期待されています。

 

ただし、老眼そのものが治るわけではなく、見えやすいように調整したレンズを入れることにより見え方が変わるのであって、根本的な治療法ではないことを理解しておいてください。

 

逆にICL手術をすると老眼のリスクが高まる?

若い頃からICL(眼内コンタクトレンズ)を使用している方々の中には、老眼のリスクが高まるのではないかと懸念する方もいるかもしれません。しかし、ICL自体が老眼のリスクを高めるという証拠はありません。ICLは近視、遠視、乱視の矯正に用いられるもので、老眼の進行とは直接関係がないとされています。老眼は自然な老化現象であり、ICLの使用と老眼の進行には明確な関連性が認められていません。

 

老眼に対応した多焦点眼内コンタクトレンズの「老視矯正用ICL」とは

 

「老視矯正用ICL」は、老眼を改善するために眼の中に入れる人工のレンズです。老視用の多焦点眼内レンズにいろんな種類がありますが、当院で扱っているレンズは「EVO Viva™ ICL」といい、特にピントの調整が広範囲にできるEDOFという技術が使われています。それにより、近くも遠くも見えるようになります。

 

このレンズの素材には、通常の近視用ICL(STAAR Surgical社)と同じ素材が使われています。体に優しいコラーゲンが使われており、紫外線をカットする透明な素材でできています。ソフトコンタクトレンズのように柔らかく、目に優しいので、目をぶつけても壊れにくいです。老眼に困っている方には、このレンズが老視矯正の新しい選択肢となります。

 

老視矯正用ICLメリット・デメリット

 

老視矯正用ICLの導入により、老眼の治療がより進化しました。しかし、どの治療法にもメリットとデメリットが存在します。ここではそのメリット・デメリットを解説していきます。

 

メリット

 

老視矯正用ICLのメリットは多岐にわたりますが、特に注目すべきはヨーロッパでの承認と近視と老眼の同時矯正です。

 

ヨーロッパでは、老視矯正用ICLが承認されており、製品をEU加盟国に輸出する際に安全基準条件を満たすことを証明する「CEマーク」を取得しています。この承認は、製品の信頼性と安全性を高めるもので、患者さんにとっても安心材料となります。

 

さらに、老視矯正用ICLは近視と老眼の同時矯正が可能です。通常のICLでは遠くの視力は改善されますが、手元の視力を矯正することはできませんでした。しかし、この新しいICLは遠方を良く見えるようにし、近方も老眼鏡なしで見えるようにすることができます。

 

そのほかのメリットについては当院の老視矯正用ICLのページでご確認ください。

 

デメリット

 

一方で、老視矯正用ICLにもデメリットがあります。日本では承認を受けていないので費用が高くなること、乱視のレンズがないこと、手術に伴う合併症などのリスク、また、個人の眼の状態によっては適応できない場合もあるなど、慎重な判断が必要になります。いずれの場合も、医師との相談が不可欠です。

 

また、通常のICLよりも強いハローやグレアが発生することもあります。

 

老視矯正用ICLと通常のICLの違いはピントの合う範囲の広さ

老視矯正用ICLと通常のICLの最も顕著な違いは、ピントの調整能力に関連しています。通常のICLは主に遠くを見るための矯正に使用されますが、老視矯正用ICLは焦点深度拡張型(EDOF)の機能を持っています。

 

このEDOF機能により、老視矯正用ICLは遠くだけでなく、中間距離や近くも見えるように設計されています。通常のICLでは、手元に焦点を合わせる機能はありませんが、老視矯正用ICLは近視と老眼の両方の矯正が可能です。

 

老視矯正用ICLのこの特性は、特に老眼が進行している方々にとって、日常生活の質を大幅に向上させる可能性があります。通常のICLと同じ素材を使用しているため、手術方法も変わらず、遠方と近方の両方を良く見えるようにする画期的な治療法となっています。

 

ただ、あまりに近い範囲のものを見ようとする場合は、別途老眼鏡が必要な場合もあります。

 

老視用ICLの費用

当院の老視矯正用ICL手術は、術前検査費用33,000円とは別に片眼407,000円(税込)、両眼847,000円(税込)の費用がかかります。これには手術費用と術直前から術後3か月までの診察・検査・投薬費などが含まれます。

 

保証期間は3年間で、レンズの入れ替えや取り出しも含まれています。執刀医指名料は掛かりません。その他詳細な費用は直接当院までお問い合わせください。

 

老視用ICLのよくある質問

ここでは、老視矯正用ICLに関するよくある質問とその回答を解説します。

 

50歳以上でもICL手術は受けられますか?

 

50歳以上でも老視矯正用ICL手術は受けられます。老眼は加齢とともに進行するため、50歳以上の方にも適用されることが多いです。

 

ICL手術をしている場合老眼にはならないですか?

 

ICL手術自体は老眼の進行を防ぐものではありません。老眼は水晶体の硬化によって起こる症状で、ICL手術とは別の問題です。

 

ICL手術で白内障は治りますか?

 

ICL手術は白内障の治療を目的としたものではありません。白内障は眼内の水晶体の透明度が下がる病気で、専門の治療が必要です。

 

まとめ

 

老視矯正用ICLは、老眼の治療に置ける新しい選択肢となります。通常のICLとの違い、費用、そしてよくある質問についてよく読んで理解することで、ご自身に合った矯正法を検討する際に参考にしてください。

 

また、中京眼科のICL特設ページはこちらからご覧いただけます。