ICL手術

2024.02.14

ICL手術は怖い?手術の安全性・痛み・リスクについて

 

あなたは、近視などの矯正手術ICL(有水晶体眼内コンタクトレンズ)手術について

 

・手術の失敗が怖い

・手術の合併症のリスクが怖い

・手術中の痛みが怖い

 

などの恐怖感をお持ちではありませんか?

 

ICL手術は数多く行われるようになってきましたが、手術の失敗はほとんどありません。しかし、外科的手術である以上、合併症が発生するリスクがあります。

 

この記事は、ICL手術を検討中のあなたが正しい知識のもとで、ご自身にとってこの手術が適切なのかを判断していただくためのものとなります。ICL手術への不安や疑問を解決し、ICL手術への恐怖心を少しでも軽くしていただけると幸いです。

 

ICLとは

 

ICL(Implantable Contact Lens)手術は、近視や遠視、乱視の治療を目的とした眼内レンズの埋め込み手術です。レーシック手術とは異なり、角膜の形状を変更するのではなく、レンズを水晶体の前に挿入することで裸眼視力が改善されます。この手術は挿入したレンズの取り出しが可能で、角膜に永久的な変更を加えることはなく、主に中等度以上の近視の治療に用いられることが多いです。

 

ICL手術の安全性

 

ICL手術は眼にメスを入れるので、外科的手術に該当します。ICL手術に限らず、外科的手術には何らかのリスクがあります。眼科の手術における最も大きなリスクは、「失明」が想像しやすいでしょう。それではICL手術で失明してしまうことはあるのでしょうか?

 

ICL手術による失明はほぼない

 

結論から言えば、ほとんどの場合は失明の心配はありません。しかし、手術ですのでリスクが全くないとは言い切れません。それらのリスクを回避するためにはICL手術の適応をしっかりと見極め、合併症などについて理解することが重要です。特に、合併症を起こしてしまうと、見えづらい期間が出てしまうこともあります。

そこで、ICL手術は資格を持った医師のみが行えるようにすることで、その手術の質を担保しています。

 

目の負担に配慮

 

ICL手術とよく比較される治療方法に、レーシックがあります。レーシックも近視や乱視などを矯正する治療ですが、その矯正のために角膜を削ります。そのため、レーシックではドライアイなど角膜のトラブルが起こることがあります。

 

一方で、ICL手術では3㎜程度の創口は作りますが、角膜を削ることはないため、ドライアイなどの合併症が起こりにくいとされています。また、目の中に入れるレンズも交換の必要がないよう、特殊な素材を用いたレンズを挿入します。このように、ICL手術は目の負担に配慮した治療であるということが分かります。

 

ICL手術による痛み

 

ICL手術では、手術中や手術後の痛みを心配する患者さんも少なくありません。そこで、この章ではICL手術中の痛みと手術後の痛みについて解説します。

 

手術中の眼の痛み

 

ICL手術中は痛みがないよう、目の表面の痛みを取る目薬の麻酔を行います。これで痛みがとり切れない場合は、より強い麻酔を追加することがあります。これらの麻酔を使えば、手術中に眼の痛みを感じることはほとんどありません。

 

希望者には笑気麻酔を使用

 

前述した麻酔は目の表面の感覚がなくなるだけであり、手術中に「意識があるため怖い」という感想をお持ちの方がいらっしゃいます。そこで、希望者には笑気麻酔を行う施設もあります。笑気麻酔は通常の全身麻酔と違い、呼吸器や心機能に影響を与えづらいとされています。笑気麻酔を行うと、ぼんやりと体がふわふわするような感覚になり、痛みも感じにくくなります。ただし、気胸、中耳炎で治療中の方にはできないなどの制限はあります。とはいえ、手術への恐怖感や不安感が強ければ、笑気麻酔を使って手術を行うのも一つの手でしょう。

当院では笑気麻酔を使用できますので、恐怖心や不安感を軽減して手術を受けることが可能です。

 

手術後の眼の痛み 

 

ICL手術後は、ゴロゴロ感などを感じることがあります。また、痛みなどの症状を訴える方も少なくありません。ドライアイや感染症など合併症によっては痛みを生じる場合もありますが、これら合併症が生じなければ基本的に痛みを感じることはありません。

 

ICL手術によるリスク

 

ICL手術は眼の中にレンズを挿入する外科的手術です。そのため、合併症が起きる可能性はゼロではありません。また、そのレンズ自体の見え方に違和感を覚える方もいらっしゃいますので、事前にICL手術によるリスクを知っておくことが重要です。ここでは3つのリスクについて解説します。

 

レンズの不適合

 

ICL手術前に詳細な検査結果を元にレンズの度数を決定しても、検査時の眼の状態によって度数が微妙に変化することがあります。そのため、手術後にレンズの度数ズレが起こることがあります。

 

また、乱視の場合ですとレンズが回転して乱視軸がズレることもあります。ICL手術で度数を高く矯正しすぎた場合、過矯正になることがあります。過矯正になると、眼精疲労や頭痛、吐き気を伴うことがあります。このようにレンズが合わない場合、ICL手術はレンズの交換が可能です。見え方に強い違和感がある場合は、レンズ交換の対象になりうるため主治医と相談すると良いでしょう。

 

ハロー・グレア

 

ICL手術後にハロー・グレア現象が起こることがあります。これは、ICLを挿入したことで生じる現象で、光の散乱や反射によって発生します。特に、数週間から数か月で改善されることが多いとされています。夜間に運転される方は、街灯や対向車のライトが気になり、運転の妨げになることがあるため注意が必要です。

 

感染症

 

ICL手術そのものによって失明することはほぼありません。しかし、手術である以上、感染症などにかかった場合を考慮すると失明する可能性が0%とは断言できません。ICL手術後すぐは、創口が完全には塞がっていないため、感染しやすいデリケートな状態です。手術後一定の期間内は、洗顔や洗髪を控えるなど日常生活の制限があります。医師が指示した生活制限を厳守しましょう。

 

ICL手術後の過ごし方

 

眼の手術後はさまざまな日常生活の制限があります。ICL手術後は、レンズを入れた創口が完全に塞がっていないので、感染症や物理的な衝撃には注意が必要です。個人差はありますが、完全に元通りの生活を送れるのは手術後1ヵ月になります。その間は日常生活の制限があります。また、目薬での治療や定期検査も重要です。ICL手術を安全に終えるためには、手術中だけでなく、手術後の生活も非常に重要です。主治医の指示には必ず従いましょう。

 

視力が回復する期間

 

ICL手術後の当日は術後の炎症などの影響で、スッキリ見えないこともあります。手術翌日は視力が1.0以上出る方も増え、時間とともにその割合は増えていきます。

定期検診後の通院有無

 

手術後はトラブルがないかを見るために、定期検診のため眼科を受診します。その定期検診で特に異常がなければ、ICL手術の定期受診の頻度は少なくなります。しかし、ICLの状態や他の目の病気の検診などを兼ねて、1年に1回など定期受診を続ける方が多いです。

 

まとめ

 

ICL手術をされる患者さんの中には、手術に対しての恐怖感を抱いている方が少なくありません。しかし、それはICL手術について詳しく知らないことが影響していたり、事前に眼科医らから十分な説明がなかったりすることが影響していることもあります。手術中に使える不安や恐怖心を軽減できる麻酔があること、合併症などについて理解が深まり、ICL手術に対する恐怖心が軽減すれば幸いです。

 

また、中京眼科のICL特設ページはこちらからご覧いただけます。